論理回路

#20200527b

順序機械の話

  • 「機械」と呼ばれる数学的な理論
  • 有向グラフによって動作を記述

自販機の状態遷移

自販機の動作

簡単な自販機の動作を考える:

  • 硬貨なしにボタンを押しても何もしない
  • 100円硬貨を1枚だけ受け付ける
  • それ以上入れた場合には硬貨を返却

自販機の状態変化

入力(ボタンor硬貨)出力(点灯or商品)状態の変化

入力 出力 状態
硬貨 商品選択ボタン点灯 商品選択ボタン待機
商品選択ボタン 商品を出力 硬貨待機

ドリップコーヒー自販機の動作

$B_1$: コーヒー選択ボタン,$B_2$: 砂糖の量ボタン,$B_3$: 抽出ボタン

入力 出力 状態
硬貨 $B_1$点灯 $B_1$待機
$B_1$ $B_2$点灯 $B_2$待機
$B_2$ $B_3$点灯 $B_3$待機
$B_3$ 抽出 & 扉を開口 取り出し待機
取り出し 扉を閉口 硬貨待機

カウンタの動作

5進カウンタの動作を考える:

  • 0,1,2,3,4を順に出力
  • 4のあとは0を出力
  • 入力はクロックパルス(CP)

カウンタの状態変化

入力(クロックパルス)出力($0$~$4$)状態の変化

入力 出力 状態
CP 0 1の出力を待機
CP 1 2の出力を待機
CP 2 3の出力を待機
CP 3 4の出力を待機
CP 4 0の出力待機

状態遷移図

状態遷移図とは

  • 状態の変化を有向グラフで表したもの
  • 各ノード$q_i$は状態を表す
  • 各エッジは入出力に応じた状態の遷移を表す
    • 入力 $i$と出力 $o$ に対応する遷移は $i/o$ というラベルがつく

簡単な自販機の場合

  • $q_0$: 硬貨が入っていない状態
  • $q_1$: 硬貨が入っている状態

ミーリーマシンとも呼ばれる

カウンタをミーリーマシンで表す

  • $q_i$: $i$を出力し続ける状態($0\leq i\leq 4$)

カウンタをミーリーマシンで表す

  • カウンタの出力は入力と無関係
  • カウンタの出力を状態と同一視

各状態を出力と見做す:

こちらはムーアマシンと呼ばれる

{ミーリー/ムーア}マシン

どちらも同じオートマトンです.

  • 状態遷移図で表される
  • 各ノードは状態を表す
  • 各エッジは状態の遷移を表す

オートマトン

定義1(オートマトン)
$\Sigma$ を記号の集合, $Q$を状態の集合, $\delta: Q\times \Sigma\to Q$を状態遷移関数, $F\subseteq Q$ を受理状態の集合とする. この時$(\Sigma, Q, \delta, q_00,F)$ を$\Sigma$上のオートマトンと呼ぶ. ただし$q_0\in Q$は開始状態を表す.

次回

  • ミーリーマシンによる簡単化について
  • 最終テスト課題について